障害児出産巡る発言が呼んだ波紋

11月18日の茨城県総合教育会議で、「妊娠初期にもっと(障害の有無が)わかるようにできないのか。(教職員も)すごい人数が従事しており、大変な予算だろうと思う」「意識改革しないと。技術で(障害の有無が)わかれば一番いい。生まれてきてからじゃ本当に大変」「茨城県では減らしていける方向になったらいい」などと、障害児らが通う特別支援学校を視察した経験を話すなかでこのような発言をした教育委員・長谷川智恵子さん(今年4月に就任)が、発言を撤回し、辞職を表明されました。
http://www.asahi.com/articles/ASHCN54BZHCNUJHB015.html?ref=yahoo
同県・橋本知事は、一連の発言には問題はないという発言をしながらも、「新型出生前診断制度は命の選別につながる可能性があるため、生命の倫理という点で疑問を感じ、発言を撤回」されていました。

大人になると、人によっては社会的な立場というものができあがって、それが崩壊することを強く懸念するあまり、利害を最優先にしながらものを喋らなきゃいけない場面が往々にしてあると思いますし、そうした慎重にならざるを得ない場面での発言は、必ずしも本心から出てくるものではない、と思うところもあります。
要職とされる任務を負う人であれば、なおさらこうしたことには苦悩するのでしょう。きっと。

なにか、テレビドラマの世界みたいですが。

おそらく、今回の発言も氏のお立場を察すると、何かお考えあってのことだったのかな、、と思いたいですが、内容が内容だけに、おおかたの予想通り批判が集中したということです。

正直、私も「なんで?」と思いました。

たとえ本心からではないにせよ、要職とされる以上、発言したことがすべてですからね。発言は刻銘に記録される時代です。またそれは、メディアによって一気に拡散され、その言葉だけが一人歩きしていきます。
発言をした後ではもう、どのような弁解も成り立たなくなってしまいますよね。

心が安らかになる、同級生と遊んだ時間

思い返せば、私が小学生の頃、たしか養護学級というクラスがあり、そこには障がいをもつ同級生らがいました。
小さい頃というのは、友だちが障がいをもっていようがいまいが、そんなことを特に意識することもなく、一緒になってよく遊んだ記憶が残っています。
授業の終わるチャイムが聞こえると、一目散に校庭に飛び出すか、養護学級めがけて駆けって行って、その教室の子らとワイワイはしゃいでいました。

それはもう、理由なく楽しかったです。夢中になって遊びました。障がいをもつ同級生はいつも人気者でした。友だちの輪の中心にいつもいました。彼らの表情は今なお鮮明に記憶に残っています。
この記憶については、思い出すだけで心が安らかになるから不思議です。

今回、一連の発言が波紋を呼んだ長谷川さんに、かつてこうした体験がおありだったか否かは分かりません。
でも、たとえ何らかの障がいをもちながらも、この世に生まれてきてくれた人を、皆で慈しんで、健常者と同等かそれ以上の生きがいをもって生きてもらいたい。そんな世の中にしたい。
障がいをもつ子の親のみならず、そう思っている人はリアルに多いと思います。
かくいう私もその一人です。

冒頭で長谷川さんが述べておられる「意識改革」というのは、本当はそういう気持ちを皆がもてるような社会、あるいはそういう気持ちを具現していけるためのものであるべきなのかもしれませんね。

決して発言者だけを責め立てるのではなく、ちょうどこの時期に、こうしたテーマに大勢の人が向き合うきっかけを氏が与えてくれたととらえてみませんか。

その出来事を、次にどうつなげるか。どんな問題もそこが肝心だと思います。

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