水のように生きられたら

水のように生きられたら

社会に出て、世の中の厳しさを痛感する人は多いと思います。

学生の頃だったら、勉強する科目もある程度は自分で選ぶことができるし、つき合う相手も、気の合う相手を選んでその人とつき合っていれば、それで済んだわけです。

ところが社会に出ると、自分の好みで仕事やつき合う相手を選ぶことは、相当困難なことになりますよね。自分がやりたくない仕事だって、指示があればやらなくちゃいけないことだってあるし、その仕事を成立させるためには、人間関係だって自分の思うようにいくことばかりではなく、他人に合わせないといけないことだって出てきます。
原則として、上司や、大切な取引先とは、円満につき合っていかなければいけませんしね。

最近は、「社畜になんてなるな」「雇われない生き方をしろ」みたいな考え方が横行している向きもありますが、今の人間関係や仕事から安易に逃げることは、せっかく描き始めた自分自身の成長曲線から大きくはずれることにもなりかねません。

テレビに出てくる著名人で豪傑のイメージを売りにしているような人たちを見て、「あの人たちはいいなぁ、自分のやりたいようにやってるし、自分の考えや価値観を最優先にして生きられるからなぁ」なんて思っている人がいるとすれば、それはとんだ勘違いです。
陰でどれほど神経をすり減らし、やりたくないことをやっているかを、知らないからです。
また、そうした立場を手に入れるまでには、どれほどの苦労があったことでしょうか。

形状を変えても、水は水のまま

古代中国の思想家である老子は、「上善じょうぜんは、水のごとし」という言葉を残しているそうです。
「上善」って、どこかで見たお酒のネーミングみたいですが、これは「理想的な生き方」という意味だそうです。

水のような生き方。どこかキレイな響きのある言葉だとは思いませんか。
老子は、「理想的な生き方は、水のように生きることだ」と述べているのですね。

水は、丸い容器に入れれば、丸くなります。四角い容器に入れられれば、当然、四角い形になります。
四角い形状のままでは丸い容器には入れませんし、丸い形状で四角い容器にはフィットしませんよね。
「私は四角いままがいい!」と強く主張してみても、結果的に丸にフィットできなければ、その存在も用をなさず、役に立たないわけです。そこには違和感しか残りません。

老子のこの言葉は、仕事とか、つき合う相手によって、柔軟に対応していくことの大切さを述べているのだと思います。

かといって、丸であろうが四角であろうが、形状を自由自在に変えても「水は水のまま」で存在しています。成分が変わるわけではありません。形状を変えたからといって他の何かに変化したわけではないのですね。

つまり、適応する環境に自分を合わせたからといって、それは「自分を自分でなくする」ということではなく、心に柔軟さを持っていれば、たとえその場その場での対処(対応)の仕方を不本意な方向に変えざるをえない事態が訪れたとしても、人間としてのポリシーとか、信念とか、そうしたものを何ら変わらず持ち続けることができるのです。

まさに「水のように」、置かれた状況やつき合う相手に自分を合わせていくことが大切になってくるわけです。
これができる人には実に簡単なことなのでしょうが、そうでない人には実に難しいことなのかもしれません。

心に柔軟性があれば、相手に思いやりを持つことができるし、かえってしっかり自分の信念を育むことができる、ということも、私のつたない経験上のことですが申し添えておきます。
下手に自分の信念に固執すると、かえってその信念に振り回されてしまいかねないですしね。

今回は、なんかちょっと、堅苦しい記事になってしまいましたね(笑)

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