楽しみは、意外と近くにある

楽しみは、意外と近くにある

楽しみは、珍しき書、人に借り、
始めいちひらひろげたる時

江戸時代の歌人である橘曙覧たちばなあけみの歌です。
これの意味するところは、「人生の楽しみの一つは、前々から読みたかった貴重な本を他者から借りて、最初の一ページ目を開いた瞬間にある」というようなものです。
この橘曙覧という歌人は、さらに、次のような歌を残しています。

楽しみは、心をおかぬ、友達と、
笑い語りて、腹をよるとき

これの意味するところは、「人生の楽しみの一つは、心が許せる友だちと冗談などを言い合って、お腹が痛くなるほど笑い転げたときにある」というようなものです。
どうでしょうか。先ほどの「借りた本」の話と同じで、日常のなんでもない出来事だということが分かりますよね。

楽しみは、まれに魚煮て、児等こら皆が、
うましうましといひて食ふ時

実は、これも同じ歌人によるもので、「人生の楽しみの一つは、久しぶりに食卓に煮魚が出て、子どもたちがうまい、うまいと食べている光景を目にしたときにある」といったような意味です。

「楽しくない」「つまらない」は、本来はない

これらの歌が教えてくれること。それは、人はいつも楽しいことを求めて生きているけれども、その楽しみというのは、決して遠いどこかにあるものではなくて、ごく身近なところにあるということだとは思いませんか。

お金がないと楽しみは得られないと考えている人も、少なくないかもしれません。
あるいは、そうとまで考えていなくても、「なかなか楽しいことがない」「つまらないことばかりだ」と口にしている人をよく見かけますよね。
そういう人は、本来身近にあるはずの「楽しみ」を見つけるのが上手くないのかもしれません。

素朴な日常の中にこそ、本当の楽しみが潜んでいるということに、気づくことが大切です。
「ふと本屋をのぞいたら、前から読みたいと思っていた本があった。なんてラッキーな出来事なんだ」
「知らない人と、ふとあいさつを交わしたら、とてもすがすがしい気持ちになれた」
「いつも当たり前のように人からしてもらっていることが、こんなにもありがたいことだったんだ」
たとえば、こんなふうにとらえることが出来るようになれば、「毎日が楽しくない」「つまらない」なんて思うことは少なくなるはずです。それどころか、「楽しくない」「つまらない」と感じていた日常が、こんなにも嬉しさや楽しさにあふれていたんだと思えるようになるはずです。

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ムズカシイことなんていらない

人は誰でも、何か事あるたびに、「自分の人生はなぜ思うようにならないのだろう」と考え、そして悩みます。
それは、能力や努力不足に問題があるのではなく、その人の考え方(思い込み)に起因するところが大きいと言えます。
本書には、私たちがなかなか気づかなかった、迷いからの脱出口を発見できるよう、できるだけヒントを挿入していったつもりです。

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