巷にあふれる美容健康法にまどわされない!

体に良いとされる健康食品やグッズ、美容を保つための商品は次々と開発され、その勢いは衰えることを知りませんね。
特に美容においては、最近では女性だけではなくて男性も強い関心を持つようになりました。コマーシャルも実に頻繁に目にします。
健康になりたい、美しくなりたいという気持ちを持つことはとても大切なことだとは思いますが、あれもこれもと手を広げすぎるのはどうでしょうか。
新しい、魅力的なコマーシャルを目にすると、ついそれを試したくなりますよね。
でも、そのブームが去ると、また新たな商品が開発され、それも欲しくなる。
経済の活性化には一役買っているのかもしれませんが、そんなことをしていては永久に落ち着くことがありませんよね。
第一、それら一つ一つが本当に自分に合っているかどうかを見極めることは難しいはずです。
たとえば、もともとヨーロッパの人々は体臭が強く、それを何とかしようとして生み出されたのが、体臭よりも強い香水だったといいます。香水を使って体臭を打ち消そうと考えたわけですね。
いっぽう、日本人は、もし体臭がするのなら、それを消せばいいという発想をしてきたわけです。
お風呂で体をていねいに洗う、生活習慣を見直すなどといったことですね。
ヨーロッパの文化にあるように体臭をごまかそうとするのではなく、その匂いを消そうと考えてきたわけです。
日本に根づいた石鹸の文化も、それゆえかもしれないですね。決してキツすぎない石鹸の匂いが、日本人にとっては心地の良いものだったのかもしれません。
「足し算」ではなく「引き算」の考え方で
今の日本での美容健康ブームにありがちな、「これを試したら、次はこれを試す」というスパイラルは、いわばヨーロッパの例にあるような「足し算」の考え方だと言えないでしょうか。
対して、日本の「原因を消す」という考え方は、まさに「引き算」の考え方ですよね。
それまでの習慣を見直すわけでもなく、次々と出てくる新商品に毎回毎回興味を持って、取り入れようとする。試してもなかなか良くならない悩みを抱えて、また次の商品に望みをかける……。
この「足し算」の発想の危険なところは、自分の体を大切にしているようで案外そうでもない、という点です。それは、「自分の体に足りないものがあるはずだから、それを取り入れよう」という発想だからです。よく自分の体と対話もしないうちに新たな成分を取り入れても、それが本当に合っているかどうかなんて分かりませんからね。
そうではなく、あくまでも自分の体に備わっている機能を信じて、大切に思って、「その機能を発揮しやすいように、健康や美容に悪いものを排除してあげよう」という発想に切り替えるべきなのではないでしょうか。
食べ物にかぎらず、日常の中で「健康に悪い」とされる習慣さえも、少しずつ削り取っていくことが、本当の意味での健康や美容を手に入れる方法だと思えてなりません。