子どもの将来を案ずることなかれ

子どもの将来を案ずることなかれ

可愛いわが子を見るにつけ、「この子をできるかぎり大切に育てなければいけない」と思うのは、やはり親心と言えるでしょう。
でも、そうした気持ちが高じてくると、「この子の将来は大丈夫かな」という心配に変わってくるものです。

心配のネタは尽きることがありません。
健康面、学力、進路などなど、実に様々です。

仏教では、この世の中に「自分の物」は何一つとしてないと説いています。自然界全般においてそれは言えることで、人間もその自然の一部にすぎません。
法的な意味で、生存中の一定期間、自分の所有物としているものはあります。でもそれは、お金のやりとりや譲渡によって、一時のみ所有しているものであり、死ぬときには持っていけないものばかりです。

それは子どもも同じことですよね。確かに父と母がいないと生まれてくることはできませんが、そうかといって、この自然界で「父のもの」あるいは「母のもの」と断定することはできないでしょう。
「子宝」と言われるように、子どもは宝ですね。でも、子どもは親の財産ではないはずです。人間が考案した法的な意味をのぞけば、子どもは決して私有物ではありません。

子は親から自分を解き放っていく

生まれてきた子どもは、両親にしがみつきます。
子どもは一人では何もできないので、親が手を引き、支えていきます。子どもがしがみついてくる温もりを感じれば感じるほどに、「この子を大切にしなければ」と強く思うものです。
しかし、親が子どもにそうすることは本能と言えますし、親は子どものために自分を犠牲にすることだってできますが、子どもは親のために自分を犠牲にするということは、まずありませんね。
これは、考え方が様々あると思いますが、一つには、子どもが親のために犠牲となると、種族が途絶えてしまうということがあげられます。
その種族を残すという意味では、この摂理は他の生物にも見られるようです。

そして、良い意味で、子どもは成長とともに、親にしがみついていた状態から自分を解き放っていくわけですね。
そう、親が子どものことをいくら心配しようが、自分を解き放っていくのです。

確かに、両親があって子どもが生まれるわけですが、親と同じで子どもは一つの「命」ですよね。それは、広い意味で自然界(地球)にとっての一つの命と言えます。
命は誰のものでもありませんよね。互いに等しく尊さを持つ存在です。

子どもが進路に悩むとき、生き方に悩んでいるときに、ヒントを与えたり、背中を押してあげることは大切ですね。初めは経済面での後押しも必要かもしれません。
だからといって子どもを私物化せず、一人の立派な人格を持った人間として、適切な距離を保って接してみるところに、不要な不安を抱かずに子どもの成長を見守ることができるようになるための、最大のコツが秘められていると思います。

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ムズカシイことなんていらない

人は誰でも、何か事あるたびに、「自分の人生はなぜ思うようにならないのだろう」と考え、そして悩みます。
それは、能力や努力不足に問題があるのではなく、その人の考え方(思い込み)に起因するところが大きいと言えます。
本書には、私たちがなかなか気づかなかった、迷いからの脱出口を発見できるよう、できるだけヒントを挿入していったつもりです。

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