何でもかんでも引き受けないで

人から何か物事を頼まれたときに、
「断ると人間関係がこじれるかな」
「この仕事を引き受けて、やり遂げられたら、評価も上がるだろうな」
「これを引き受けて、感謝されたい(恩を売りたい)」
「結構難しい内容だけど、無理してでも引き受けて、自分のスキルアップにつなげたい」
「失敗を恐れていたら、何もできないから」
このように考えて、何でもかんでも引き受けようとする人って、いませんか。
本当に自分が得意なことであって、なおかつ時間的にも余裕があればまったく問題はないでしょうが、新たに知識や技能を取り入れなければできないようなことだったりすると、なかなか簡単にはいきませんよね。
快く引き受けたのはいいけれど、思ったほどうまくできそうにないことが分かって、思い悩んだり、「なんとかしてうまくできないものか」と悶々として過ごすことは、あまり良いことではありませんね。
そのために想定以上に時間がかかったり、結果的にちぐはぐなものしか相手に提供できない、あるいは「やっぱり、できませんでした」ということになると、相手にも迷惑をかけることになるし、そこで大きく信頼を損なうことにもなりかねません。
欲張って、信頼を損なうことにも
何か物事を頼まれたときには、じっくりとその内容を聞いて、本当に引き受けても大丈夫かどうかをよく見極めることが大切ですよね。
あるいは、そのすべてを引き受けなくても、部分的に、本当に自分の得意なところだけを引き受けるという手もあります。「この部分は私の得意な分野なので、できますが、それ以外の部分は他の人に頼んでもらえますか」といった具合に。
そして、引き受けた部分については徹底してやり通すことで、お互いの信頼関係もより強いものになっていくはずですよね。
何でもその場で快く引き受ければ、自分も相手も気持ちいいし、「これで相手から良く思われるんじゃないか」とさえ思います。
確かにそうかもしれませんが、そうした気持ちはその場かぎりのもので、あとにのしかかってくるのは、現実問題として、本当にそれが期限内に、しかも相手の納得できる形で提供できるのか、ということです。
ある程度スキルを積んでいる事柄であれば、「できるか、できないか」をクヨクヨと考える前に、思いきって「できます!」と声を上げることも、自身のステップアップの上では大切なことではありますが、まだ自信が持てないという内容であれば、あまり欲張らずに、はっきりとお断りしておくのが得策だとは思いませんか。