今ある幸せをありがたく思って

今ある幸せをありがたく思って

鷦鷯しょうりょう深林しんりんに巣くうも
一枝に過ぎず

聞き慣れない名前だと思いますが、鷦鷯というのは、ミソサザイという野鳥のことなのだそうです。
言葉通りだとすると、このミソサザイが林の中に巣を作るときは、たった一本の枝しか使わないということですね。
中国戦国時代の思想家である荘子が残したこの言葉は、ミソサザイの姿を「欲のない姿」ととらえて、人間もミソサザイを見習って、多くを望まないような生き方をすることが好ましく、際限なく欲望にとらわれることなく、少量で十分に足りているという気持ちで生きていくことが大切だということを説いているわけですね。

荘子は、さらに、弟子たちにこう語っているそうです。

もし、人間が、人間の心を持って鷦鷯に生まれ変わったら、どうなるだろう。一本の枝では足りないと不平不満をこぼし、何本もの枝を求め始めるだろう。さらに、どうせなら質の良い枝が欲しいと考えて、すでに手元にたくさんの枝があるにもかかわらず、よその枝も求めようとするのではないか。一本手に入ったら、もう一本、さらにもう一本と、それこそ際限なく。

欲望は、お金も神経もムダに消費する

私たちは、すでに満ち足りた生活を送っているはずなのに、あれが欲しい、これが欲しいと考えがちですよね。

たとえば、家電製品をすでに持っていて、それで不自由のない暮らしを送ることができていて、十分事が足りているのに、さらに改良された最新の商品が販売されたことを知ると、つい、それが欲しくなります。それが手に入らなければ、不平不満をこぼすこともあるし、たとえそれを手に入れることができたとしても、また新しいものが欲しくなるという、際限のない欲望に自分自身が支配されてしまいます。
それだけにはとどまりませんよね。お金だってムダにしてしまうし、あれも欲しい、これも欲しいと考えていると、神経だってムダに消費してしまいますよね。

そうならずにすむためには、今あるもので十分だというふうに思える心を養うことですよね。
今あるものだけで、十分に生活が成り立っているのであれば、それだけでありがたく、それだけでうれしいという気持ちになることが大切ですね。
そんな気持ちになれれば、決して必要以上の物を望まないようになれるはずですし、心も穏やかなままで暮らしていけることになります。
今ある物を大切にする心も育まれていき、さらに心を穏やかに保っていくことができるでしょう。

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ムズカシイことなんていらない

人は誰でも、何か事あるたびに、「自分の人生はなぜ思うようにならないのだろう」と考え、そして悩みます。
それは、能力や努力不足に問題があるのではなく、その人の考え方(思い込み)に起因するところが大きいと言えます。
本書には、私たちがなかなか気づかなかった、迷いからの脱出口を発見できるよう、できるだけヒントを挿入していったつもりです。

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