サービス精神を発揮して、心を豊かに

サービス精神を発揮して、心を豊かに

年始に、お刺身を食べたいと思って、デパートの鮮魚店に行きました。
そこで、店先に置かれているお刺身の盛り合わせよりも、ブロック状の切り身(さく)を切って食べたほうが美味しいだろうと思い、店員さんに「これを切っていただくことはできますか?」と尋ねました。

そこで、店員さんからはこんな返事がきました。
「はい」
後に何か言葉が続くのかなと思い、その店員さんと数秒間見つめ合っていましたが、これかぎりでした。

いやいや、せめて「はい、できます」とか、「はい。少しお待ちいただきますが、構いませんでしょうか」など、もうちょっと言葉が欲しいと思いませんか?
「はい、できます。○分ほどお待ちいただくことになりますが、よろしいでしょうか。品物はお客様がお選びになりますか? それとも私どもでお選びいたしましょうか」
ここまでいかないにせよ、これに近いようなことを言っていただければ、気持ち良く買い物ができますよね。

鮮魚店なんだから、昔ながらの気質もあるし、いちいちそんな対応の中身を問われても困る、という反論もあるかもしれませんが、トロなんかを買う場合は、決して安い買い物ではないですよね。
お客からお金を頂く以上は、対応を改めなければいけないこともあると思います。

たとえば、北欧スタイルの家具を販売するIKEAなどは、「店員の対応が素っ気ない」という声をよく聞きますが、「それが北欧に合わせたコンセプトなのでは」という声も聞きます。安いからまた行く、という人と、二度と行かないという二派に別れるようですが、企業にしろ小売店にしろ、対応ひとつで存亡の危機に立たされることだってありますよね。

相手が何を知りたがっているかを考える

知人から聞いた話です。
都会の駅前のバスターミナルは、バス停がたくさんあって、バスやタクシーが目まぐるしく行き交う場所です。
そのうち一つのバス停に、「○○区民館行き」「○○病院行き」と行き先が2つ表示してありました。
そのバス停にバスが駐まり、あるお年寄りがバスの出入りを整理している係員に、「このバスは○○区民館に行きますか?」と尋ねたそうです。
すると係員は、「行きません」と、一言だけそう答えたそうです。
お年寄りは困った顔をして、何度もそのバスを見ていました。ちょうどそこにいた知人が、「このバス停には2つの行き先のバスが来て、交互に出発しています。区民館行きは、このバスが出た後に来ますよ」「ここで待っておられれば、あと5分ほどで来るはずですよ」と伝えたら、そのお年寄りは知人に礼を言い、ホッとした様子だったそうです。

先の鮮魚店の話ではないですが、このバスターミナルの係員にとっては、詳しく案内をすることは仕事に含まれないのかもしれませんし、「行きますか?」と訊かれたので、「行きません」と誤りのない回答をしているので、他人からどうのこうのと責められる理由はないわけです。
バスの整理で、それどころではなかったのかもしれません。

でも、そのお年寄りが「何を知りたがっているのか」をよく考えて、あと一言、二言添えることができて、その不安を取り除いてあげることができたなら、人から直接的に感謝される喜びを知って、バスの整理の仕事にもいっそう弾みがつくはずです。

サービス精神を発揮すると、人の役に立つと同時に、自分の心も豊かにしてくれます。
「今日はこれで喜んでもらったから、次はこんな工夫をしてみよう」という具合に、仕事がどんどん面白くなります。

どんな仕事であれ、ちょっとしたことで、気分が乗ってくるものです。
何かをしてあげたことによって、にっこりしながら感謝されることは、一番の心の栄養剤になります。

サービス精神を発揮して働き続けると、今の仕事が2倍にも3倍にも楽しくなってきます。
もらっている給料以上のことはしたくないかもしれませんが、あえてそこにチャレンジしてみるのも、価値あることだとは思いませんか。

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