「私だけが不幸」

「私だけが不幸」

「うちの旦那は子どもの世話をしてくれない。よそはやってるのに」
「旦那は収入が低いのに、平気な顔をしている。よそはもっと多いのに」
「うちの嫁は気がきかない。言っても機嫌を損ねるだけ」
「うちの会社は、やりたいことをやらせてくれない。上司も話が通じないし、他の会社に転職したほうが良いに決まってる」

日常で、不満は尽きないもの。
一つ不満が思い浮かべば、また別の不満が浮かんできます。

では、別の人と結婚していたら、そうした問題は一切なかったのでしょうか。
別の会社に就職したら、本当に好きなことをやらせてくれるのでしょうか。本当にそうした環境に恵まれるのでしょうか。
そんなに社員に好き勝手にやらせてくれる会社なんて、まずないのではないでしょうか。組織で動かなければいけないわけですから、部下の要望を何でも受け入れて、「好きなようにやれ」と言ってくれる上司などいないでしょうし、いたら組織が成り立たなくなりますよね。
だから、たいていは、自分の都合に合わないと、相手が上司であれ誰であれ「分からず屋」と映ってしまうのではないでしょうか。

このように、自分の不幸を嘆いている人は、「他の人はそうでもないのに、どうして私だけが不幸なんだろう」というふうに思いがちなのではないでしょうか。

でも、これって、冷静に考えてみると、思い違いであることが多いはずです。

うちだけじゃなく、よそもだいたい同じ

前回記事(水のように生きられたら)でも紹介した、古代中国の思想家である老子は、「じょうを知ればよう」という言葉を残しています。

ここでいう「常」とは、「それが普通であり、自分だけが特別なのではなく、みんな同じだ」という意味なのだそうです。「容」とは、受け入れるという意味です。

つまり、「自分だけが恵まれていないということなのではなく、他人も自分と同じだということを知ると、いちいち不満が出ず、寛容になれるし、自分や他人に対して公平な目で見られる」という意味になります。

自分だけが特別不幸なのではなく、みんなが比較的同じような条件の中で暮らしており、他人も同じような問題を抱えながら生きているのだということを理解できれば、自分に与えられている条件を、あくまで前向きに受け入れられる、ということではないでしょうか。

夫婦の場合、もともとは他人どうしだった二人が一緒に生活するわけですから、価値観などの違いなどから、ささいな問題から大きな問題まで、どうしても出てきます。
「うちだけじゃなく、よそもだいたい同じような気持ちでいる」ということが分かれば、その事実を受け入れて、相手の非ばかりを責めるのではなく、自分にも改めるところはないかと考えたりして、前向きに解決していこうという気持ちになれます。

会社の上司にしたって、どの会社に入ったところで同じようなものだということが分かれば、「この分からず屋の上司のもとで、どうやって自分の意見やアイディアを実現していけるか」ということに知恵をしぼることが、自分の力を発揮できる最短の道であることに気づけるのだと思います。

今の境遇を嘆いたり、そこから抜け出して別の道を選択することはできますが、「賢明な道」というのは、意外と身近なこととちゃんと向き合ってみることで開けてくるのではないでしょうか?

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ムズカシイことなんていらない

人は誰でも、何か事あるたびに、「自分の人生はなぜ思うようにならないのだろう」と考え、そして悩みます。
それは、能力や努力不足に問題があるのではなく、その人の考え方(思い込み)に起因するところが大きいと言えます。
本書には、私たちがなかなか気づかなかった、迷いからの脱出口を発見できるよう、できるだけヒントを挿入していったつもりです。

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