「叱る」よりも大切な「待つ」ということ

「叱る」よりも大切な「待つ」ということ

子育ての難しさを日々、実感している人も多いはずです。

中でも、一番難しいのはやはり、してはいけないことに対して「どの程度注意したらいいのか」ということではないでしょうか。
言わなきゃいけないところはしっかり注意しなければいけないだろうし、かといって、言い過ぎると萎縮して逆効果になってしまう……そんなふうに思ってしまいますよね。

ところで、以下の事柄のうち、思い当たるものはありますか。

1.突然、キレたかのように大声で怒鳴る。
2.怒ることを、自分のストレス発散にしている気がする。
3.「そんなことをするんなら、○○はあげないよ!」と取り引きする。
4.子どもをほめる回数よりも、怒る回数のほうが多い気がする。
5.あそこの家の子はできるのに、どうしてできないのかと比較し、責める。

よく言われることですが、「叱る」ことと「怒る」こととは違います。

「叱る」というのは、言い聞かせている自分も律するつもりで、親と子が一緒に成長できるものですよね。
対して、親も子も、結果的に疲れだけが残って、やる気が失せてしまうのが「怒る」ことです。

子どもを、ストレス発散の対象にしてはいけませんね。
子どもが物事を理解して、それができるようになるまでのリズムというのは、大人が感じているほど早くない場合が往々にしてあります。同い年の子どもどうしでも違うことはよくあるものです。それを単純に比較して、さも劣っているかのような言い方をすることは、絶対によくありませんよね。
子どものリズムに合わせて、それをできるようになるまで「待つ」ということが肝心なことでしょう。

すぐに怒ると、成長の芽をつんでしまう

禅の言葉に、「啐啄同時(そったくどうじ)」というものがあります。
これは、師が弟子を悟りに導くときの絶妙なタイミングのことを指しているそうです。
「啐」は、親鳥が卵の外側からつつくことで、「啄」とは卵の中にいるひなが内側から殻をつつくことです。
このタイミングが一致して、雛は無事に生まれてくることができるのだそうです。
もし親鳥が殻をつつくタイミングが早すぎると、卵の中はまだ殻を破って出てくる準備ができておらず、逆に遅すぎると窒息死してしまうそうなのです。
禅における師は、「指導する」「待つ」「叱る」を同時に行うのだそうです。この3つのタイミングが絶妙に揃うことが肝心なのですね。

子育ても同じで、すぐに怒ってしまうと、子どもの成長の芽をつんでしまうことになりかねません。前述の禅の言葉で言えば、いきなり卵の殻を壊してしまうことと同じですからね。

それに、えてして親の思いどおりに子どもは育たないものですから、それを前提に子どもと付き合わなければいけませんよね。思いどおりにいかないいら立ちを怒りで表現してはいけません。

私たちの見えないところで、子どもは日々成長しているものです。それをじっと見守ることは「待つ」ことですよね。じっと待って、その上で肝心な場面では「怒る」のではなく「叱る」ことで、お互いに成長していかなければなりません。

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