「ここではない、どこか」は永遠に訪れない

「ここではない、どこか」は永遠に訪れない

「今の仕事は、本来自分のやるべきことではないのではないか」
「自分には、他にもっと輝ける場所があるはずだ」
「自分はもっと人から羨まれるような生活を送れる人間のはずだ」
「自分はこんなところでくすぶっている存在ではないはずだ」
「希望する部署に配属してもらえれば、もっと活躍することができるのに」
「子どもが生まれたのはいいけれど、主人が子育てにもっと協力してくれていたら、私も仕事を続けることができたはずなのに……」
「子育てと家事だけで毎日が過ぎていくなんて、つまらない……」

時折、そんなふうに思っては、現在自分に与えられている境遇に不満を持つ人も、決して少なくないでしょう。
そして、そうした不満を持つと同時に、自分が理想とする職場像、自分が理想とする家庭像などを思い描いては、さらに現状への不満を強くすることもあるかもしれません。

禅語に、「人間到処有青山(じんかんいたるところにせいざんあり)」というものがあります。
この「青山」というのは、自らが埋葬される場所、つまり墓地のことを指すそうなのですが、これを突き詰めて考えると、その人がもっとも安心することができ、満足することができ、幸せを感じられる理想の場所とも言えるのだそうです。
昔も今も、人々はこの理想の場所を探し求めて日々を生きていると言えますよね。

理想の場所は、自分の中にある

この禅語が教えてくれることは、理想の場所というのは、実はいたるところにあるということです。決してそれは遠くにあるわけでもなく、探し求めてたどり着けるものでもないということです。
自分が今いる場所、それが他ならぬ「青山」(理想の場所)であり、もし生きていく場所や環境が変わったとしても、またその場所が青山になる。
今いる場所に不満を持つ前に、懸命に生きていれば、どの場所であろうとも、そこが自分にとっての理想の場所になるということですね。

不満を持つ前に、何かやり残していることはないだろうか、もっと工夫できることはないだろうか、今の環境で最善を尽くしているかどうか、ひいては、今の場所でもっと人の役に立てることはないだろうかなど、自分自身に問いかけてみるべきですね。
そうして、まずは与えられている今の役割に真摯に取り組んで、一生懸命に生きてみると、どうでしょうか。

「ここではない、どこか」をひたすら探し続けるのではなく、「今」というこの瞬間を大切にして生きていれば、こここそが理想の場所だということに気づけるはずです。

そうです。青山は、自分の中にこそあったのです。

関連記事

PickUp

  1. 人は、前向きな話をしてくれる人を好く
    こんな人がいます。 「あなたは今日も元気そうですね。私も元気になりました」 「その件については、…
  2. 「何をやるべきか」より、「何をやりたいか」
    私たちは生きていると、ときとして重大な選択を強いられることがあります。 「職種Aの道に進むのが…
  3. 「能力不足」ではなく「行動不足」
    人よりも優秀な頭脳を持っていて、ひらめきやアイディアも豊富に持ち合わせていながら、自分ではなかなか成…
  4. 昔の感動体験を思い出してみよう
    私たちは、子どもの頃から歳を重ねれば重ねるほどに、成功した体験、あるいは失敗した体験を、さまざまな形…
  5. 「世界的な企業」の創業者がやったこと
    「世界的な企業」と呼ばれる、名だたる企業の創業者とされる人たちがいます。 この創業者らには、共通し…

新刊、発売開始しました。

今日から変わる。ちょっとずつ。

ムズカシイことなんていらない

人は誰でも、何か事あるたびに、「自分の人生はなぜ思うようにならないのだろう」と考え、そして悩みます。
それは、能力や努力不足に問題があるのではなく、その人の考え方(思い込み)に起因するところが大きいと言えます。
本書には、私たちがなかなか気づかなかった、迷いからの脱出口を発見できるよう、できるだけヒントを挿入していったつもりです。

おすすめ記事

  1. 桜の花に思う
    早いもので、もう桜の時期ですね。 報道によれば、すでにその壮麗な姿が人々の目を和ませてくれているよ…
  2. 体温を上げると、何がいいの?
    体を温めると病気になりにくいとか、体温が低いとがんになりやすいなどといった声も、ここ数年でよく聞かれ…
  3. 禁煙に「手遅れ」はある?
    私はタバコを吸わないのですが、喫煙している人を見ると、本当に美味しそうに吸っています。 中には、わ…
  4. アルツハイマー病に効く漢方薬がある!?
    前回記事で、アルツハイマー病について書きました。 簡単な内容ですが、参考になるのではと思います。 …
  5. [アルツハイマー病]かかりやすい人、かかりにくい人
    近年、特によく聞くようになった、アルツハイマーという病気。 私の知人にも数名、この病を患う方がいま…

アーカイブ

ページ上部へ戻る